ウクライナの7割以上の子どもが慢性疾患に
『低線量汚染地域からの報告』
著者 馬場朝子・山内太郎
より、ウクライナ政府報告書における第二世代の
健康悪化について、抜粋しながら衝撃な内容を書
きたいと思います。
上の図は、1992年から2008年までの、第2世代
の子どもたちの健康状態を表した表です。
「慢性疾患」を持つ第2世代は、1992年の21.1
%から、2008年は78.2%まで増加しています。
およそ8割の子どもたちが病気を持っていると
いう信じがたい数字です。
ウクライナの学校に通う生徒の健康状態
『低線量汚染地域からの報告』p213より抜粋
「これが子どもたちのカルテです。毎年、検診を
行っています。
3週間前の検診では、485人の生徒のうち48.2%
に甲状腺などの内分泌疾患が見つかりました。
背骨が曲がっているとか、背中に異常がある肉体
発育障害が22.1%。
目の障害は19.2%。呼吸器官に障害のある子ども
は6.7%。消化器疾患、神経疾患は5%というもの
です。
正規の体育の授業を受けられるのは全校で14人だ
けです。」
続いてp214 校長先生の話より抜粋
「昔は元気な子どもも多かったし、体育の授業で
はちゃんとしたスポーツをやることができました
が、今は多くの子どもが、その子の体調に合わせ
た個別の体操をしています。
私は1993年からここで働いていますが、こんな状
況に気づいたのは2000年から2001年だと思いま
す。
主に甲状腺肥大や心臓障害、それに免疫低下など
が目立ってあらわれています。
消化器系疾患も多いです。多くの生徒が何らかの
病気を抱えています。
授業中もめまいなどを訴える子どもがちょくちょ
くいます。」
このウクライナの学校の生徒の現状を見て、私は
衝撃を受けました。
直接被曝したのは、その子たちの親ですが、被曝
の影響は何世代までも引き継がれてしまうのです
。
およそ8割の子どもが何らかの病気を持っていて
学校の485人の生徒のうち、正規の体育の授業を
受けられるのは、たったの14人。
チェルノブイリ事故の26年後に実際にこのような
状況が起こっているのです。
この学校のあるコロステンという町は、「移住勧
告地域」や「放射線管理地域」といった「低線量
汚染地域」です。
日本では、福島原発事故後に、「強制避難地域」
や「強制移住地域」になった土地もありましたが
それらの地域よりもコロステンの汚染は少ないの
に、このような健康状態の悪化が増え続けてい
るのです。
よりも深刻です。
私は、1人1人の親が、放射能に対する危機管理を
もち、正しい知識を知らないと、子どもたちは
このコロステンの子どもたちのようになってしま
うと、想像できます。
特に食べ物からの内部被曝の知識をしっかりもつ
ことが重要です。
子どもが健康でない国に、未来なんてないと思う
のです。